れじぇんず2 堤防決壊
しゃべらない長男
かわいいくそ坊ちゃん、ぼく1くんは、生まれたばかりの頃から、なんとなくひ弱。
飲んで、げっぷをさせると、弱々しく、時間を掛けて飲んだものをほとんどゲロってしまう。
連続16時間、抱こうが、あやそうが、お風呂に入れようが、とにかく何をしても、延々
泣き続けた事だってある;
何より、生まれてすぐ、母親の私が原因不明の肝炎なんか発症しちゃったから、
うつったら大変と、生後まもなくから哺乳瓶でミルクをもらったせいか、母のおっぱいを
生まれたばかりの赤子のくせに”これは違う!”とばかりに拒否しやがったのだ。
なので、私は”乳頭保護器”という、乳首に傷がある人が授乳する時の道具を当てて
ぼく1くんに飲ませていたのだ(これだと飲むんだな〜。”ぼくのおっぱいはシリコン製”と
勝手に決めていたようだ)
肝炎の方は、結局、どんなに調べても、ウィルス等は見つからなかったので、”妊娠後期の
ホルモンバランスの変化による肝炎”と診断され、保険も下り、おっぱいも解禁となったのです。
そんな、生後まもなくから、強情振りを発揮していたぼく1くん、同じ年頃の子供たちが
舌足らずにぴーちくおしゃべりを始めても、一向にしゃべろうとしない。
××健診などでは、毎回、保健婦さんに捕まって、”お母さんが、なんでも先回りしてしまい
しゃべらなくてもいい環境にしているせいだ”とか、”テレビをつけっぱなしにして、話しかけて
いないんだろう”とか、まるで見てきたかのように、高圧的に説教をたれられたのだが、
”してねぇよ!実際にその目で見て、耳で聞いてから、そういう物言いをしろよ!!”などと
キレられるほど、人間ができていなかったのだ(当時はね。今だったら、言ってると思うぞ!)
なにせ、当の坊主が”’つばさ’なら’つ’”、”’いちご’は’ご’”としかしゃべらないんだもの
経験のない、不安でいっぱいの新米ママが気弱になるのも当然だ。
実際のところ、知らない人が傍から見たら、驚くほど、1日中、赤子の長男に話し続けていたのだ。
そんなコミュニケーション手段が少ない子だったから、トイレトレーニングもなかなか
すすまない。遂には、ダブルおむつ野郎を覚悟で、諦めて二人目を作ることにした頃。
その日は3歳のお誕生日に突然やってきた!
唐突に、本当に何の前触れもなく、いきなりしゃべりはじめたのだ。
しかも、まるで舌足らずなところもなく。べらべらべらべら、起きている間は、
休む間もなく、色々色々しゃべり続けるのだ。しかも、すごく理路整然と・・・;
その様は、まるで堤防の中に徐々に水が溜まってきて、遂には、いっぱいになり、
堤防を突き破って、言葉の水が噴出したかのようだ・・・
覆水盆に返らず。一度決壊した堤防は二度と戻らない;この日から、ぼく1くんの
”どうして?なんで?攻撃”から、逃れられなくなったのだ。
めんどくさくなって、ちょっとでもいい加減な答えをすると、”どうして?なんで?”の嵐になるから
きっちり答えた方がずっとマシなのだ;
・・・極端から極端に走るヤツだ・・・;"f=_=
ちなみに、しゃべり始めたのと同時に、漢字を読み始めた。
電車が好きで、近くの線路沿いに見に行くと、いつも”むっ!”と行き先表示を指指すので
毎度毎度、答えていたせいだ。だから、読みもちょっと偏っていた。
実家に帰った時、表札を指差して”おばあちゃんのなまえは、’ぐうかわ’っていうんだね”
そう、”鹿島神宮の宮”と、”品川の川”だから”ぐうかわ”@o@;
これには、みんながたまげた!
すべてがこんな感じなのだ。疲れる;
だから、”こどもの発達”の本の通りに、育った次男の子育ては、すごく楽に感じたのでした;
現在?”自分で調べなさい!”で済むようになったので、だいぶ手がかからなく
なった方なのかもしれない。実感は全くないのだが・・・
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狐茶屋