れじぇんず4 犬笛


聞こえてる!?
私は子供の頃から、耳が悪いと思っていた。
だって、人の話しを聞くときには、かなり神経を集中しなきゃならないんだもの。
だけど、それは、”聞こえない”ではなくて、”聞き取りにくい”のだという事に
気づくこととなる。

周波数発信機
そういう名前であっているかはもう、定かではないのだが、
高校の物理の時間に、Y先生が”これから、
人が聞こえる音の周波数があるという事を実際にやってみよう。”
聞こえるようになったら手を挙げて、聞こえなくなったら下げるというのだ。
さてさて、 ・・・pi-私は手を挙げた。それに、やや遅れてみんなが手を挙げる。あれれ?
そして、大体みんな同じ頃に手を下げる。あれれ?まだ小さくだけど聞こえるよ?
その日の昼休み、いつものように、黒点観測のために、物理準備室に行くと(天文部だったのだ)
Y先生がいた。”まみさんってさ、可聴範囲広いのかもね”
それまで、自分は耳が悪くて、大事な話しを聞き漏らしがちだったので、
にわかには信じられず、”そぅなのかな〜?”で終わってしまった。

ふざけてないもん!
長男が生まれて1年くらいの頃、夫の会社の”家族健診”というのを受けることになった。
この家族健診というのは、受ける病院によって、微妙にメニューが違うようなのだ。
その年、受けた病院では、聴力の検査も入っていて、外の音から遮断された箱に入って、
ヘッドフォンから音が聞こえたらスイッチを押し、聞こえなくなったら離すという検査を受けた。
”なんだか、実験のチンパンジーみたいだな・・・;”と思いながらも、
乳飲み子を残してきた心配(もちろん、ばぁちゃんシッターに預けてきたんだけど)
さっさと終わらせて、さっさと次に行こうと、マジメにやった。な・の・に。
箱から出ると、中年のナースのおばちゃんが、”ふざけてないで、マジメにやってください!”と、
なんだか、ぷんすかしてやがるぢゃねぇか!
”なんのことでしょう?私、ふざけてなんかいませんよ!小さい子置いてきてるから
早く帰りたいんだから!”
すると、おばはんナースはますます不機嫌になって”聞こえたら押す!聞こえなくなったら
離すって言ったでしょ!聞こえないところで押さないで頂戴!!”
”だからそうしたでしょ!”
両者にらみ合って、がるる〜状態;
”じゃぁ、もう1度だけやりますからね!聞こえたら押す!聞こえなくなったら離してね!!”
憮然として、うなずき、もう一度箱に入ってヘッドフォンをする私。
で、もう一度、チンパンになってボタンを押したり、離したり。
終わって、箱を出ると、くそばばナースが一言”あら、本当に聞こえてるのね”
むかーーーっ!あの人をはなっから責めた態度についての謝罪はないのかーーー!!
その病院で、2度と健診を受けなくなったのはいうまでもない。ぷんぷん!

おたんこなーすのおばばの事はともかくとして、これで1つはっきりとした。
私は他の人よりも可聴範囲が広いのだ。普通の人が聞こえないような音の洪水(大げさな)
の中にいるから、一番聞こえやすいであろう、人の話し声が聞き取りにくいのだ。
やっと、これまでの色々な疑問に答えが出ただけでもよいとせねば。
ちっ!せっかくだから、あのおばばになんHzからなんHzまで聞こえていたのか問いただして
おけばよかったぜ!と思うのであった。もしかしたら、犬笛も聞こえるのかも!?

みんなよりもノイジーな世界しか知らない私、みなさんの音の世界はどんななんでしょう?

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狐茶屋