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7月のある夕方、6年間の地下生活を終わらせるべく、
セミの幼虫が穴を掘って出てきました。
窮屈な殻を脱ぎ捨てるために、枝をのぼります。
周りには、同じように穴から這い出た、ライバル達が沢山います。
下の方の草の葉には、泥まみれのニイニイゼミの幼虫もいます。
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自分の気に入った場所を見つけると、しっかり足でつかまります。
大事な儀式のためです、色々どこでしようか、迷う幼虫もいます。
とても高い木の枝の先の葉っぱで、脱皮するのもいます。
場所を決めると、いよいよ脱皮です。
殻の背中が割れはじめました。
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まずは、上半身が出てきます。
一番太い所を抜けるのは、やっぱり大変です。
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ぶら下がって、自分の体重を使って頑張ります。
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もう少し、頑張って!
でも、落ちないでね。
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ようやく、体が殻から抜けました。
今度は、血が通い始めた羽が伸び始めます。
抜け殻につかまって伸びるのを待つ事が多いのですが
この子は、殻が風で落ちてしまったようです。
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背中が色づいて来ました。
茶色いので、アブラゼミのようです。
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羽は完全に伸びきりました。
1晩かけて乾かし、明日の朝には、結婚相手を捜しに飛び立ちます。
この後、10日から2週間生きると言われています。
でも、憧れの地上は危険がいっぱい。とかげやクモ、すずめが狙っています。
運良く、子孫を残す事ができれば、また数年後脱皮の儀式があるはずです。
その間に、幼虫の住む木が切り倒されなければ・・・
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